ほまれごよみ

本人は意図せずに嵐を呼んでしまう、ほまれがつづるアレコレ

なんかヤな感じ


地震の次は台風ですか。

なぁ〜んか地球も末期って感じよね。
その陰で、アタシの心の師匠である
杉浦向日子さんが亡くなりました。

大学の卒業制作で、何を血迷ったのか「粋」という
壮大なテーマを選んでしまったアタシは、
大学の図書館にあった浮世絵の本を見、
九鬼周造の「いきの構造」を読んでみたものの
さっぱり内容は理解できず、
はてさて、アタシが漠然と感じてカッコいいと思っている
「粋」というものをどうやって人に説明すればいいのか
途方に暮れているところに出会ったのが、お向日さんでした。
杉浦向日子全集を買い込み、お向日さんの本を読みまくり、
付け焼き刃だったけれど、「粋」を自分なりに理解したアタシは
浴衣を2枚仕立て、それを卒業制作としたのでした。

その後も「粋」という概念は、アタシにとって
全てのものやことを測る時の物差しとなり、
大学卒業後も、お向日さんの新刊が出れば必ず購入し、
お向日さん唯一のレギュラー番組であった
NHKの「お江戸でござる」は大好きな番組の一つでした。
昨年の春、「お江戸でござる」が終了を迎えた頃から、
お向日さんの活動が全くわからず、どうしたのかしら?
などと呑気に思っていた時の突然の訃報でした。

あの向日葵の様な笑顔で江戸の日常について見てきたかの様に
判りやすく、興味を引くはなしがもう聞けないとなると残念です。
船旅が大好きで、液体のお米が大好きで、そしてなによりも
江戸という時代をとても愛していたお向日さん。
あなたの行った場所は、あなたの恋い焦がれた江戸ではないけれど、
北斎もお栄ちゃんもきっとそっちにいるから、
楽しくやっていることでしょう。
さよなら、アタシはあなたが大好きでした。


いつかどこかの島で出会ったら「大好きです」って言うつもりだったのに。